中央アルプス南部 鷹巣山(1444.0m)、風越山(1535.5m) 2016年5月14日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:00 ゲート−−5:51 林道畑ノ沢線−−6:26 作業道入口−−6:53 畑ノ沢峠−−7:18 鷹巣山(休憩) 7:40−−7:53 畑ノ沢峠−−8:18 1413m峰−−8:51 1415m峰−−9:10 1450m峰−−9:39 風越山(休憩) 10:06−−10:48 1171m峰−−10:54 林道大島線−−11:04 林道野底山線−−11:38 ゲート

場所長野県飯田市
年月日2016年月5日14日帰り
天候
山行種類籔山(ただし風越山は一般登山の山)
交通手段マイカー
駐車場林道ゲート手前に駐車場あり
登山道の有無林道畑ノ沢線〜畑ノ沢峠〜鷹巣山間は刈り払われた作業道あり。畑ノ沢峠〜風越山間、風越山〜林道大島線間は道無し。ただし風越山は別ルートに登山道あり
籔の有無ノ沢峠〜風越山間は笹藪の連続。風越山〜林道大島線間は風越山近くは笹藪、林道近くは灌木藪だがそれ以外は歩きやすい植生
危険個所の有無無し
山頂の展望無し
GPSトラックログ
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コメント野底川沿いの林道から周回。林道は野底山森林公園より先はゲートありだが鍵を借りることも可能らしいが出発時刻が遅くなるので歩くことに。林道畑ノ沢線から畑ノ沢峠を目指したが予想外に刈り払いされた道が続き、鷹巣山山頂まで続いていた。畑ノ沢峠〜風越山間は目印はあるが道は無く笹藪の連続。ゲートがあるのを知らずに準備した地形図の範囲が狭く、野底山森林公園付近の地形が見えなかったので帰りは当初計画通り大島林道へ下ったが、野底山森林公園へ下る登山道が存在していたのは下山後に知った。帰りに使った尾根は風越山付近は笹藪だが以降は道があり歩きやすい尾根




ゲート前の駐車場 浄水場入口横にゲートあり。知らなかった・・・
ゲート横の看板。ゲートのカギを借りられるようだ
林道名は野底山線 水場の看板があるが他に沢がいくつもある
林道大島線入口。帰りはここを下ってきた 林道畑ノ沢線入口
野底川。橋が無ければ渡れない水量 崩壊しかけた造林小屋
林道分岐は左へ 予想外に「畑ノ沢峠入口」の看板登場
畑ノ沢峠へ至る道の入口 笹が刈られて良好

沢を渡る個所のみ道が薄い 檜の大木
畑ノ沢峠 鷹巣山方向に刈り払いが続く
完璧な刈り払い 今シーズン初めてのギンリョウソウ
鷹巣山山頂 山頂標識
鷹巣山山頂の展望。樹林に囲まれている
畑ノ沢峠。風越山方向には刈り払いは無く笹藪 尾根直上より東側の方が笹が薄い
1400m付近 1400m鞍部のワイヤー
1400m鞍部には柵の痕跡あり 長い1410m峰の一角
過去に手を入れた形跡 1360m鞍部
目印 目印
1415m峰の登りは笹が薄く歩きやすい 1415m峰山頂
1390m鞍部 1420m峰
1450m峰にあった看板 1450m峰山頂
1450m峰を下る 1410m鞍部
1440m付近。ブナが目立つ ブナの枯れ枝が大量に落ちている
真新しい切り口 風越山登山道に出た。まだ山頂ではない
小さなお社 石仏
意外と道が薄いような 風越山山頂
風越山山頂からの展望。樹林に囲まれて展望なし
登山道を離れて北東尾根へ 北東尾根に突入
北東尾根にも目印あり 1420m付近
1410mで笹が消え、以降はまとまった笹はなくなる 1380m付近の岩
1370mの焦げた木。落雷? 1360m肩
1058m峰方面。作業道がありそうな 計画通り北東尾根を下り続ける
1250mの巨岩を迂回する桟橋 1210m小鞍部のフィックスロープ
1150m鞍部 1171m峰
1130m付近。尾根上に朽ちたフェンスあり 籔っぽい尾根が続く
最後まで藪 大島林道に到着
下ってきた尾根を振り返る ツツジが花盛り
こちらにも放置された造林小屋あり 橋を渡って野底川林道へ
野底川 カーブミラーで自撮
藤の花も花盛り ゲート到着
風越山からゲートまで登山道があったとは知らなかった! 道が無い尾根を下り林道歩きして損してしまった


 長野南部で未踏の山は数少なくなったが、飯田市で面倒そうな山は鷹巣山くらいになった。ここは中央アルプスの支稜で、飯田の代表的な山である風越山がある尾根に位置する。登山道があるとは聞いたことがなく、尾根の東西両側を流れる川沿いの林道から適当に登ることになろう。

 林道の通行状況調査も兼ねて鷹巣山の記録をでネット検索すると2件ほど発見。1件目は西側の松川沿いの林道から往復した記録で、林道入口にゲートがあるとのこと。2件目の記録(クリックでジャンプ)は東側の野底川沿いの林道から登った記録で、こちらはゲートは無いことのことだったので採用。1999年の古い記録であるが鷹巣山南東側の林道から鷹巣山南側の1300m鞍部(畑ノ沢峠)まで、崩壊個所はあるものの作業道があるとのこと。今はもっと荒廃が進んでいると思うが何もない笹藪よりもマシだろう。中央アルプスの界隈なので藪は笹が中心と予想され、北信の石楠花、潅木、根曲がり竹と比較すれば楽勝だろう。

 基本的には鷹巣山狙いだが、時間が余ったら風越山も登り、帰りは1171m標高点のある北東尾根を下って、往路で使ったよりも一つ下側の林道大島線に下るようなループを考えた。問題は鷹巣山〜風越山間の笹の濃さ。これは現場にいかないと分からない。

 長野市から飯田は遠く久しぶりに高速道路を使う。カーナビに導かれて野底川沿いに入っていくと森林公園になる。キャンプ場を通過して浄水場入口に達するとゲートが登場、施錠され閉まっているではないか。1999年当時には無かったゲートだが、どうやらゴミの不法投棄対策らしい。案内看板によれば利用者は届け出ればゲートの鍵を貸してもらえるとのことだが、利用時間は8:30〜17:00とのことで今から借りるには出発時間が遅くなり時間がもったいなさ過ぎる。目的の林道入口までカーナビによれば3.5km程度で、歩いて1時間ほどなので歩くことにする。最近は10kmくらいの林道歩きを何度もやっているのでこの程度の距離なら苦にならない。少し問題なのが印刷した地形図の範囲にはゲート付近は含まれていないこと。まあ林道歩きなら問題ないが、別の面で後で問題となった。林道手前には日陰になる駐車スペースあり。今日は暑くなりそうで林道歩き対策で麦藁帽子を被った。

 林道は舗装されて普通車でも問題なく歩ける状況だった。緩やかな登りが続き、左側に見えている野底川の流れは急で水量は多く橋が無ければ渡れそうにないが、今回は林道の橋で渡るので心配はない。下山時に使用予定の大島林道は入口に看板がありしっかりした橋がかかっている。戻ってくるのは何時間後だろうか。さらに上流へと歩くと目的の林道畑ノ沢が登場。こちらも看板としっかりとした橋がかかり、新しい轍が残っていた。車が入れるのだから安全に歩ける林道なのだろう。

 畑ノ沢林道は未舗装だが普通車でも問題なく走れる程度の路面状況だった。地形図に出ている林道分岐の手前にも林道分岐があるので騙されないよう注意。標高1070m付近の正しい分岐で左斜めに鋭角に曲がって登り、標高1015m付近の顕著な沢で林道が左カーブするところに小尾根があり、その入口にはピンクリボンがいくつも付けられて目立つようになっていて「畑ノ沢峠入口」の看板が出ていた。え? まともな道があるのか?? ちょっと信じられないが本当に道があったらラッキーなので辿ってみることにする。標識は古そうだが、リボンは少なくともここ数年以内に付けられたものだろう。もし2,3年前に整備されたのなら今でも充分に使えるだろう。ゲートの鍵を借りればここまでマイカーで入れるだろう。

 尾根を登るのかと思いきや、沢からやや離れて右岸側を登っていく。小さな沢を横断する個所は水が流れて道が不明瞭だが、対岸にはしっかりした道が続く。しかも刈られて枯れた笹が残されており、今年に入って人の手が入ったのは間違いない。今でも使われている作業道らしく、少なくとも畑ノ沢峠までは藪漕ぎ回避確定だ。周囲は予想通り低い笹が登場し中アらしくなった。標高1160m付近から沢を離れて植林斜面を登っていく。途中、檜の大木があるが周囲の檜とは別格の太さで植林されたものではなく自然のものだろう。。

 刈り払われた道を進んで明瞭な稜線に出ると1300m鞍部の畑ノ沢峠。ここにも標識があり、驚いたことに鷹巣山方向に刈り払いが伸びている! もしかしたら山頂まで道ができているかもしれない。残念ながら反対側の風越山方向には刈り払いは無く笹の海だ。

 刈り払いは完璧で登山道と言っても遜色が無いレベルだった。標識さえ整備すれば一般登山者が登れる山に変身するだろう。結局、山頂まで刈り払いは続き、想定外にも鷹巣山は藪漕ぎ一切無しの山になっていた。参考にした1999年の記録では一面の笹の海だったことが信じられない光景だ。刈り払いは山頂からさらに北に伸びていて、どこまで続くのか興味があるところだが、第2目標は逆側の風越山なので調査はしなかった。山頂の周囲は樹林で囲まれていて展望はない。頭が黄色く塗られた三角点が出迎えてくれた。山頂標識が1つあったが、一番北側の木に北向きにかかっているので三角点から見て逆向きなので、下山前に逆向きに設置しなおした。

 山頂で少々休憩したが、予定外に藪漕ぎ皆無で登れてしまい、時間も体力も余っているので風越山を目指すことにした。この区間は笹藪漕ぎ確定で、おそらく畑ノ沢峠〜風越山までずっと続くであろう。

 畑ノ沢峠まで快適な作業道を辿り笹藪突入。中アらしく背丈は腰から胸程度で視界は開けているし、根曲がり竹と違って笹の茎は細く柔らかく掻き分けるのは楽だ。しかし茎の細さ、柔らかさの影響か、笹が直立しておらず稲が頭を垂れるように隣の笹に寄りかかっているのがやっかいな状況を作っていた。普通の直立した笹は手で簡単に分けられるのだが、ここの笹は絡み合って簡単には開かないのだ。石楠花と比較すれば容易な藪ではあるが、延々と藪が続く状況では体力を搾り取られる。尾根直上よりも概ね東側直下の方が笹が薄く、傾斜が緩い場所はできるだけ迂回した。尾根上にはピンクリボンが点在するが、おそらく登山者の物ではなく林道作業者のものだろう。

 尾根上は笹藪が続き獣道程度は存在するが尾根幅が広がるとそれも不明瞭になり適当に笹を掻き分けて進む。1413m峰を越えて1410m峰の広いてっぺん付近にかかるとのっぺり地形で尾根の連なりの判別が難しくなり進行方向注意だ。目印は見える範囲に常時あるわけではなく、このような分かりにくい肝心な場所には見られなかった。しかし笹の高さが低いので視界は樹林で制限されるものの先がある程度見通せるのでルートファインディングは楽な方だろう。

 ガサガサと笹の中を獣が逃げていく音を聞いたが姿は見えず。たぶん熊ではなくカモシカだろう。中アは比較的カモシカが多い。熊はいないことはないと思うが中アで熊棚を見た記憶はないし、数は多くはないだろう。ちなみに帰りの林道歩きでカモシカを見かけた。

 1415m峰の登りだけは北斜面になるからか、笹の高さ、密度が減少し歩きやすくなった。しかしピークより先はこれまでどおりの笹の密度に復活してしまう。さすがにうんざりだが、1420m峰でやっと右手に風越山が見えた。もう一息だ。この付近も笹の中に微かな獣道があり、それを見つけられるかどうかで疲労の度合いが異なる。気温も高く今シーズン初めての発汗量の多さでで顔から汗が滴り落ちた。

 1450m峰を越えて最後の登りも笹藪。背の高いブナが生えて笹さえ無ければ気持ちよさそうな尾根なのだが。傾斜が緩んで肩に到着、当初計画で大島林道へと下る尾根の分岐点だろう。そこから僅かな登りで山頂部に到着すると笹が刈り払われた道が出現した。ただし思ったよりも道幅が狭く、体に笹が触れるくらいだった。近くには小さなお社と石仏が2体あり。ここが風腰山山頂かと思って三角点を探すが発見できない。

 平坦な山頂部に続く道を南へ進むと笹のない大きな広場に飛び出し、風越山の山頂標識があった。こちらが山頂だった。三角点は一番奥にあった。周囲は樹林に囲まれて展望が無いのが残念だ。そろそろ正規登山道から登り始めた登山者が到着しても良さそうな時間であるが山頂は無人で、休憩している間にも人はやってこなかった。もう気温が高くなり虫が寄ってくる季節になってしまった。濡れタオルで汗を拭いて顔や腕に虫除けスプレー噴射。もう少ししたら森林限界に逃げないとダメかな。

 帰りであるが、できれば林道歩きを避けるため森林公園へと直接下りたいところだが、手持ちの地図は林道歩き無しの前提で印刷範囲を決めたため途中で途切れている。念のため出発前にPCが面上に出した地形図をデジカメで写真撮影してきたのだが、林道歩きの区間は写っているが悪いことに森林公園に直接出る尾根の全体像は写っていなかった。繋がっているだろうと思われた1058mピークがある尾根は、よく見ると末端近くで沢で分断されていることが分かった。残念。仕方がないので帰りも林道歩きが必要になるが、計画どおり北東尾根を下ることにした。

 お社のある場所から笹藪に突入し、広い肩から北東尾根に突入。地形図を見ると尾根の出だしはいまいちはっきりしない尾根地形のように見えるので方位磁石で方向を確認しながら下る。鷹巣山〜風越山を結ぶ尾根と同様にピンクリボンが点在するが赤テープも混じっていて、こちらは藪山登山者が付けたものかもしれない。ただし、目的の尾根に付いているとは限らないので参考程度にとどめて常時読図は欠かさない。

 最初は笹藪だが標高1410mで突如として笹が切れて以降はまとまった笹区間は無く、意外に歩きやすい尾根だった。笹が無くなった後は道があるのではと思わせるくらいだったが、実際に標高1250mで大きな岩が出現した場所は西側を巻いたが、東側には朽ちた桟橋が残っていたし、標高1210mのサレた小鞍部付近ではフィックスロープが流してあった。目印があるくらいなのだから今でも作業道として使われているのだろう。

 標高1360m肩が1058m峰のある尾根との分岐だが、ここでは両方の尾根ともピンクリボンがかかっていた。もしかしたら1058m峰の尾根から森林公園へ繋がる作業道が存在するかもしれないが、無かった場合に悲惨な目に遭う可能性があり、今回は止めておいた。

 尾根の分岐はいくつかあるが、どれも地形図と高度計を見れば判別は容易であった。それに割と明瞭な踏跡がある。しかし最後の1171m峰を境に踏跡は消滅してしまう。もしかしたら作業道がどこかで尾根を外れて下っている個所を見落としただけかもしれないが。ここまで来れば北側に下れば林道に出るので適当に植林斜面を下っても良かったが、せっかくなので北東に落ちる尾根を下ってみることにした。

 この尾根上には朽ち果てた金網フェンスが続いていて、まだ植林が小さかった頃に鹿に食われないよう対策したのだろう。これに沿って下っていくが今までと異なって植林の中だが地面付近は潅木が多く半分藪漕ぎ状態だった。何となく昔の作業道が残るがほとんどが藪に埋もれかけている。歩きやすい場所を求めてフェンスの左右にルートを振りつつ下っていく。林道が眼下に見えてからも藪尾根を下り、最後は小さな砂防ダム横に出て大島林道に飛び出した。まさか尾根の一番下部が一番藪っぽかったとは。

 残りは林道歩きのみ。カンカン照りの道路歩きは暑くやっと麦藁帽子が活躍だ。帰りも無人の林道歩きでゲートも施錠されたままだった。ゲートに到着して上水道への車道入口の看板を見てみると、なんとこの道を登ると風越山に至るのであった! これを知っていれば帰りはこの道を下って藪漕ぎ無し、林道歩き無しで下れたはずだった。残念! ちなみに地形図にはこのルートは出ていなかった。

 駐車場所は日影になる場所を選んだために車の中は涼しいまま。汗を拭って着替えてから寝不足解消でしばし昼寝。窓を全開にしないと暑い季節になってしまった。


 まとめ。鷹巣山には道が存在し藪漕ぎ不要。事前に申し込みしてゲートの鍵を借りておけば短時間で登頂可能。でもあまりに物足りないので風越山が未踏ならゲートを起点に周回ルートをお勧めする。その場合は標高が高い風越山から鷹巣山へ向かう方が笹藪漕ぎは楽だろう。

 

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